2007年11月9日金曜日

八ヶ岳と富士山の伝説


 
富士山は女の神様ですが、たいそう威張ることが好きでした。いつもまわりの山に向かっては
「見たところ、私が日本一高い山のようですね。雨でも雪でも自由に降らすことができますと、えへん」
と、高い鼻をツーンとさせて、得意になって自慢していました。

 ある日のことです。突然遠くから、
「日本で一番高いのはこのわしじゃ」
と、ごぶとい声が飛んできました。それは雲の上へ、ちょこんと頭をだしている八ヶ岳の男の神様でした。
「いいえ、わたしです」
「いや、わたしじゃ」
富士山と八ヶ岳は、お互いに自分のほうが高いんだと言い張って一歩も引きません。




 こんなことが5年も10年も続きました。この様子をごらんになった阿弥陀如来様は、
「神様同士が争いをするなんて、本当に困ったものだ。」
と、顔をしかめました。そこで、富士山から八ヶ岳まで長いトイをかけて、水を流すことにしました。水は正直ですから少しでも低い方に流れます。

 さっそく阿弥陀如来様はトイを作りました。トイは富士山のてっぺんから八ヶ岳の天峰まで掛けられ、真ん中から水が流されました。富士山と八ヶ岳の神様はじっとみまもりました。さあて、水はどちらへ流れるでしょう。あっ!水はピシャ、ピシャと音をたててどんどんと富士山の方に流れていきました。



 
 さあ大変です、富士山は黙っていません。
「そんなことがあるものか…。」
富士山は女の神様ですが負けず嫌いでした。
「ああ、くやしい」
いきなりありったけの力で八ヶ岳山をけとばしました。ガアーン!天も地もこわれてしまいかと思われるほどの、すごい音がしました。ザア、ザア、ザア、ガラ、ガラ、ガラ。



 
 八ヶ岳は山頂から崩れ落ちました。そして、何日も続いてやっと止まりました。そのために、八ヶ岳は八つに裂けて、富士山より低くなりました。










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自己紹介

埼玉の大学に通う大学生です。 そろそろ卒論に向けての資料集めのため、いろんな情報をこのブログにアップしていこうと思います。